neumascanは2026年に生まれました。演奏者として、これまでの楽譜スキャンの仕上がりに満足できなかったからです。楽譜スキャンなら、符頭やリズムだけでなく、強弱記号、表情記号、スラー、アーティキュレーションまで、実際に演奏するのに必要なものをすべて正しくデジタル化できるべきだと考えています。
1ページの楽譜をDorico、Sibelius、MuseScoreなどの楽譜作成ソフトに手で打ち込むには、かなりの時間と根気が要ります。neumascanなら、その作業が数分で終わります。ページを撮影するかPDFをアップロードすれば、1小節ずつ読み取られ、結果はそのままブラウザで使えます。
楽譜は複雑で、いつも完璧に読み取れるとは限りません。だからneumascanはすべての小節を確かめます。拍が合わない小節には小節チェックが印を付け、元の写真のすぐ隣にある楽譜エディターで修正できます。
スキャンでできること
neumascanは、写真やPDFを、すぐに使えるデジタルのパート譜に変えます。
- 原本と結果を並べて表示:原本の各段が読み取り結果のすぐ上に並ぶので、すべて正しいかがひと目でわかります。
- ブラウザで再生:デジタル化した楽譜を聴いて、リズムや音の高さが正しいかを確かめられます。鳴っている音符は強調表示されます。詳しくは楽譜の自動演奏をご覧ください。
- 楽譜エディター:音価、音の高さ、臨時記号、スラー、強弱記号、調号、拍子を、ブラウザでそのまま修正できます。ほかのソフトは要りません。
- 移調:かんたんな操作で、パートを好きな音程に移調できます。B♭管・E♭管の楽器やF管ホルン用のプリセットもあります。
- 印刷用のPDF:パートをきれいなA4ページで出力。移調したものも出力でき、楽譜作成ソフトは要りません。
- MusicXML:お好きな楽譜作成ソフトで開けます。スラー、強弱記号、アーティキュレーションもそのままです。
- MIDI:聴く、練習する、DAWで使う。
編曲する人に:楽譜をデジタル化して、さらに編集
楽譜をデジタル化して、手を加えたいとき。たとえば、モーツァルトのアリアの独唱パートをヴィオラ用に編曲したいとします。neumascanで楽譜を撮影するかスキャンし、ブラウザで結果を確認して、MusicXMLでダウンロードします。あとはMuseScore、Dorico、Sibeliusで、ヴィオラ用に音部記号や音域、アーティキュレーションを整えるだけ。音符を1つも打ち直す必要はありません。
ソリストに:曲を自分の楽器用に
ヴァイオリン奏者がフルート協奏曲を弾きたい。コントラバス奏者が、ずっと弾きたかったチェロ協奏曲に挑戦したい。そんなときも大丈夫です。neumascanはト音記号、ヘ音記号、ハ音記号(アルト・テノール)を読み取ります。パートを自分の楽器に合う調に移調し、PDFで印刷するか、MusicXMLにして楽譜作成ソフトで仕上げましょう。
オーケストラ奏者に:移調楽器
B♭・A・D・E♭のクラリネット、B♭トランペット、F管ホルンなどの移調楽器を演奏しているなら、こんな経験があるはずです。持ち替え楽器のほうが吹きやすいパッセージがある。パート譜が違う楽器用に書かれている。neumascanなら、数分で書き換えられます。
移調楽器は、楽譜に書かれた音とは違う高さで鳴ります。次の表は、それぞれの楽器が記譜音からどれだけ離れて鳴るか、そして実音の楽譜(スコアやピアノ譜など)をその楽器用にするとき、neumascanでどの音程を選べばよいかを示しています。
| 楽器 | 実音は記譜音より | 実音の楽譜から選ぶ音程 |
|---|---|---|
| B♭管のクラリネット、トランペット、ソプラノサックス、フリューゲルホルン | 長2度低い | 長2度 ↑(プリセット「B♭クラリネット/トランペット」) |
| A管クラリネット | 短3度低い | 短3度 ↑ |
| アルトサックス、アルトホルン(E♭) | 長6度低い | 長6度 ↑(プリセット「アルトサックス(E♭)」) |
| F管ホルン、イングリッシュホルン | 完全5度低い | 完全5度 ↑(プリセット「F管ホルン」) |
| E♭クラリネット | 短3度高い | 短3度 ↓ |
| D管トランペット、D管クラリネット | 長2度高い | 長2度 ↓ |
| B♭管のパートをA管クラリネットで | — | 短2度 ↑ |
テナーサックスとバリトンサックスは、記譜音より1オクターブ以上低く鳴ります。neumascanの「移調」で楽器リストからテナーサックスやバリトンサックスを選べば、オクターブも含めて移調されます。すべての楽器の調号と音名は、移調楽器の移調早見表にまとめています。
オーケストラでの活用例:プッチーニの低いE♭
neumascanチームのクラリネット奏者による具体例です。プッチーニをはじめ、多くのオペラには低いE♭が出てくる箇所があります。一時期、この低いE♭のための追加キーが付いたクラリネットが作られていたため、当時の作曲家はこの音を好んでクラリネットのパートに書いたのです。しかしこの構造は定着せず、現在のB♭クラリネットやA管クラリネットの最低音は低いEです。
B♭クラリネットのパートに低いE♭のソロが出てきたら、そのパッセージをA管クラリネットで、半音上に移調して演奏できます。頭の中で移調する代わりに、neumascanで楽譜を撮影して「短2度 ↑」を選べば、すぐにA管クラリネット用の楽譜ができあがり、そのままPDFで印刷できます。
「以前は、音符を1つずつ楽譜作成ソフトに打ち込んでいました。今はneumascanを使うだけ。ほかのことに使える時間が増えました。」
吹奏楽団やアンサンブルに:楽譜をまとめてデジタル化
多くの吹奏楽団、市民オーケストラ、アンサンブルには、紙のパート譜でいっぱいの棚があります。黄ばんでいたり、鉛筆の書き込みがあったり、コピーのコピーだったり。neumascanなら、スマホで撮影して1パートずつデジタル化できます。複数ページを1回のスキャンで読み取れ、すべてライブラリに保存されます。ある楽器のパート譜が足りないときは、ほかのパートを移調してPDFで印刷しましょう。
neumascanに(まだ)できないこと
がっかりさせないように、正直にお伝えします。neumascanが読み取れるのは印刷された楽譜です。パート譜(エチュード、オーケストラや吹奏楽のパート譜、弦楽器のパート譜、声楽の旋律)と、ベータ版として1段あたり5譜表までのピアノ譜、合唱譜、スコアに対応しています。和音、1つの譜表にある2声部、歌詞(1番)も読み取ります。まだ対応していないのは、それより大きなスコア、手書きの楽譜、タブ譜です。そうした場合にほかのツールで何ができるかは、楽譜読み取りアプリの比較にまとめています。
neumascanについてのご質問や改善のアイデアがあれば、お気軽にお寄せください。日本語でのお問い合わせも歓迎です。